『ジェリーとモリーとサム』 レイモンド・カーヴァー
過去にこの短編を読んでいてストーリーも覚えていたのだが、どうしてこれほど面白いのだろう。すべてのセンテンスが絶妙で、前回より100倍楽しめた。パーフェ […]
短編小説の感想を気ままに書いています。
過去にこの短編を読んでいてストーリーも覚えていたのだが、どうしてこれほど面白いのだろう。すべてのセンテンスが絶妙で、前回より100倍楽しめた。パーフェ […]
『書くことについて』は1981年に発表されたエッセイ。生真面目さと熱さが文面から滲み出ていて、冒頭の数センテンスだけで心を掴まれる。 長編小説がかなり […]
原題はThe Lie。カーヴァーには『嘘つき』という短編もあるが、それとは別の作品。 妻の嘘を題材にした奇異な印象の掌編で、「女のしたたかさ」と「男の […]
轡、見慣れない漢字だが「くつわ」と読む。原題はThe Bridleで、これは馬勒(ばろく)という意味。「轡」は馬に手綱をつけるためくわえさせる金具で、 […]
この1、2週間、フォークナーや中上健次の小説を「もしかして今ならグッとくるかも」という思いで何度か手に取ってみた。 結論から言うと、初めの数ページで挫 […]
気が滅入るような閉塞感のある話なのだが、一気に読ませる魅力があり、奇妙な怖さを持っている。ストーリー自体はシンプルなのだが解釈は難しい。 主人公は、ア […]
1981年刊行の「愛について語るときに我々の語ること」に収録された短編で、元々は『浮気』というもっと長い話であったが、それを大胆にカットしたのが本作と […]
原題はMenudeで「修繕」とか「修理」という意味。内臓を煮込むメキシコ料理の名称でもある。 カーヴァー作品ではお馴染みの夫婦の危機を描いた短編なのだ […]
原題は What We Talk About When We Talk About Love。奇妙なタイトルに思えるが、カーヴァーにしては中身と合致し […]
モーテルの管理人をしている夫婦の、修復不可能な関係を描いた短編だ。とにかくカーヴァー色の濃い題材で、一行目から最悪の空気が充満している。あまりに最悪す […]
見知らぬ男とイチャつく65歳の母親。浮気しているアルコール依存症の妻。妻の浮気相手の失業男(最初の妻に銃で撃たれ片足を引き摺っている)。昼間からウイス […]
原題はEverything Stuck To Him。stickではなくstuckと過去形である。読後にわかるが、そこがなんともせつない。 「何もかも […]
ヘミングウェイの短編「ギャンブラーと尼僧とラジオ」に似た奇妙なタイトルがまず気になるが、カーヴァーの場合、ほぼすべて謎なタイトルなのでそこはスルー。 […]
夫 vs 妻・娘の大喧嘩を描いた短編で、原題はOne More Thing。 妻が仕事を終えて帰宅すると、夫が飲んだくれてキッチンで15歳の娘をののし […]
「風呂」は「ささやかだけど、役に立つこと」のショートヴァージョンである云々は紹介され尽くしていてるので今更触れたくないが、一つだけ押さえておきたい。 […]