アーネスト・ヘミングウェイの短編をまだ読んだことがないという方、あまりよく知らないという方、読んだことはあるが魅力がわからないという方に、私の独断と偏見によるおすすめ5短編をご紹介します。
通勤電車の中、カフェや就寝前などに、軽く手に取ってすぐに読み終えることのできる短くてチャーミングな作品をセレクトしています。その清澄で雑味がなく、リアリティと思慮深さを併せ持ったヘミングウェイ・ワールドにぜひ触れてみてください。
「雨の中の猫」
男女間の理想と現実を扱ったアンニュイな雰囲気の名作。
「清潔で、とても明るいところ」
深夜のスペインのカフェを舞台に虚無を描く。
「十人のインディアン」
6歳の少年の、胸が張り裂けるような思い。読後に深い余韻が残る。
「蝶々と戦車」
1937年のマドリードを覆う混沌と喧騒、これぞヘミングウェイの最高傑作。
「白い象のような山並み」
美しい自然と意味深な男女の会話が、読者の想像力を喚起する。