『バースデイ・ケーキ』 ダニエル・ライオンズ

意固地な老女が主人公。プエルトリコ人の若い女性がパン屋のガラスケースをのぞいている。7歳の娘の誕生会のためにどうしてもケーキを買って帰りたいが売り切れており、居合わせた老女にケーキを譲ってほしいと頼み込む。老女は「いやだよ、わたしはわたしのケーキを買うんだ」と無下に断る。若い母親は20ドルを老女の手に押し込み哀願するが、札を床に放り投げて店から出て行く。

という、いわゆる老害を描いた短編だ。(老害が主題ではないが)

正直な感想としては、この短編のどこに魅力があるの?と首を傾げてしまった。関心の対象は人それぞれなので、どういった題材を扱うかは別に問題ではなく、個人的に気になったのは作り話めいていることだ。短編を書くために創作した物語という感じで、リアリティに欠ける。そして古臭い。1990年代初出なので実際にはそこまで古くないが、百年前の作品のように思えた。エンタメとしても弱く、ページ数以上に長く感じた。

好みに合わないこともあり、かなり辛辣な感想になってしまった。でも、トルーマン・カポーティが全面的にリライトしたら、きっと凄く良い作品に生まれ変わる気がする。

全然フォローになってないね。この記事で、また敵を増やしてしまったかも。。。

TOP