「螢」 村上春樹

取材先へ向かう飛行機の機内で「螢」 を読んでいる。再読ではあるが、久しぶりなので未読とあまり変わらない。

読了。

うーん、これは明らかなチョイスミス。小説の良し悪し云々ではなく、「螢」 は空の旅にまるでフィットしない。あまりにも重苦しく、暗く、湿っている。

「死は生の一部である」が主たるテーマなのかな。

主人公の友人が自殺してしまうのだが、その死が残された者の心に得体の知れぬ影を落とし、精神に影響を及ぼしていく。友人の彼女は心を病み、大学を退学して入院することに。東京の大学に通う主人公からも生きる気力が感じられない。

全編、テンションが低い。。。

誰でも知っている情報とは思うが、この短編は「ノルウェーの森」のベースになったそうだ。私は未読なので、その点に関してはノーコメント。

結論としては、明るくてフィジカルな話が好きな私には、あまり光らない螢の話は合わなかった。明るくてフィジカルって、なんかバカっぽいけど、年齢を重ねるごとにその傾向は強まっている。好みの問題なので、どうしようもない。

それと、こういう内向的な短編は旅のお供にふさわしくない。

ネガティブな感想が多くなったが、早朝のラジオ体操を日課にしているルームメイトのキャラはちょっと好きかも。

内容の薄い記事でした。。。

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