将棋とチェス、どちらが面白いか?

Yahoo知恵袋などで「将棋とチェス、どちらが面白い?」という質問をよく見かける。

「それぞれの魅力があるので比べること自体ナンセンス」とか「他人が決めることじゃない、好きな方をやればいいだけの話」といったツレない回答も多い。もしくは思い入れだけの「将棋最強!」のような独りよがりな回答も少なくない。
私は棋力は低いが将棋もチェスも指す。(将棋については10年以上前の話ではあるが)

家族や知人を相手に、あるいはオンラインで対局したり、将棋サロンやチェスクラブに参加した経験もある。

で、どちらが面白いのか?

興奮の度合いとしては将棋が上という気がする。特に終盤の盛り上がりは、将棋に軍配が上がる。もともと駒の数がチェスより多い上に、成ってパワーアップできる。しかも獲った駒を復活させられるのだから、中終盤になるほど盤上は賑やかで熱くなる。ちょっとやかましいと思えるほどの大騒ぎだ。
逆にチェスは、駒が次々と減っていく。リアルな戦場に似て、闘いが進むほどに兵士の数は減っていく。そして、海の底のような張り詰めた静寂の中で最後の闘いを迎える。チェスには将棋のような合戦の喧騒や高揚感はないが、ヒリヒリするような緊迫感がある。私のようなマルチタスクが苦手は人間にとってはチェスの方がシンプルで没入できる。

国内では、プレーヤーの数は圧倒的に将棋の方が多いので、仲間を作りやすいという点では将棋に軍配があがる。家の近くで教室やサークルも見つけやすい。逆にチェスにはインターナショナルな魅力がある。私はバリ島へ旅行した時、ホテルのスタッフとチェスをした。(会話はできないのにw) 初心者の私は、キャスリングを禁じ手にし、笑い合ったことをよく覚えている。この頃は仕事の合間にオンラインチェスで対局する程度だが、アメリカ、カナダ、インド、イギリス、中国、ドイツ、フランスという具合に、相手は世界中のチェスファンたちだ。(日本人と当たることはほとんどない) 海外の人は、アイコンで自分や家族や恋人の顔出しを平気でするので、どういう相手と対戦しているのかわかって面白い。

で、どちらが面白いのか?

そりゃあ、チェスですよ。

チェスは一つ一つの駒の動きが激しく、油断は死を意味するので序盤から気が抜けない。容赦のない過酷な戦場に放り込まれたような感じがする。それが静かで艶やかで渋い魅力になっている。

「そりゃあ、チェスですよ」と意を決して断言してみたものの、やはり「それぞれの魅力があるので比べること自体ナンセンス」「他人が決めることじゃない、好きな方をやればいいだけの話」というのが正解なのかもしれない。。。

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