アメリカでチェスが大流行
- 2023.05.15
- ●Chess

chess.comの画面上には、対局者のアカウント名の横に国旗が表示される。カウントしたわけではないが私の肌感としては、インドネシア、フィリピン、ウクライナ、インドの方が多いかなという印象。トルコや中東の国の人も割と多い。アメリカ、カナダ、オーストラリア、フランス、イギリス、ドイツ、ブラジル、メキシコもまあまあよく当たる感じ。意外とチェス大国ロシアは少ない。韓国のプレイヤーはあまりいない。まれに日本人と当たるとなんとなく気まずい気分になる。(外国の町で日本人に遭遇する感じに似ているかな)
この数年、アメリカでのチェス人気が急速に高まっているようだ。Netflixのドラマ『クイーンズ・ギャンビット』(2020年)の影響と思うが、Chess.comやlichess.orgといったプラットフォームが普及し、コロナ禍での外出自粛がそこに拍車を掛けたのだろう。
アメリカチェス連盟の発表によると、2020年の年間会員登録者数は前年比で14%増。2021年以降もその勢いは続いているようだ。ゲーム全盛の時代に善戦していると言えるもが、チェスの場合、知育や脳トレといった側面が強いのかもしれない。
日本国内の人気はどうなのか?
チェス連盟がいろいろとイベントを開催しているので競技人口は増えているのかもしれないが、波が来ているという感じはしない。チェス実況動画の登録者数もそれほど変わっていない気がするがどうなのか。まあ、将棋が強すぎるのだろう。
その将棋は順調なようで、国内にとどまらず国際的な人気を得つつあるようだ。欧米での日本ブームが追い風となっているのだろう。とは言え、まだまだ普及には遥か長い道のりがあるとは思うが。
こういうことを言うと天邪鬼と見られそうだが、日本国内でチェスが普及するかどうかに正直それほど関心がない。ただ、OTB(オンラインでなく対面でのリアル対局)の場が増えてほしいので、そういう意味ではもう少し盛り上がりを期待したいところだ。私は大会に出る気はなくて(ムード的に馴染めない気がする)、もっとフランクに対局できるカフェやバーができてほしい。レート上位者がマウントを取るような競技ムードではなく、ビール片手に、棋譜など書かなくていいような緩いインターナショナルな空間が理想だ。大画面でNFLとかNBAの試合を流してくれたら、それはもう頻繁に通うと思う。
↑それにしてもこのブログの記事はとても魅力的だ。レート800台のビギナーの方だが、物怖じせずに思い切ってOTBに飛び込んでいくマインドが潔くて気持ち良い。「オンライン対局との1番の違いは負けてもとても楽しいことです!」とか「オンライン対局よりもOTBは圧倒的に疲れます」といったフィジカルな感想にも温度が感じられる。私もこういうブログが書けるようにアクティブに生きようと思う。
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