『GRIT やり抜く力』 アンジェラ・ダックワース

今更感はあるが、『GRIT やり抜く力』を読んだ。手に取るのは二度目だが、内容をすっかり忘れていたのでほぼ初読。

「ねぇねぇねぇ、ちょっと聞いて聞いて!人生の成功って、IQや才能で決まると思ってるでしょ?でもね、実際は「やり抜く力」が大事なの。勘違いしないでね、精神論を言っているわけじゃないから。ほら、こんなに大勢の成功者たちに取材してエビデンスを集めたの。気が遠くなるくらいアンケート調査だってしたのよ。それでね、私気づいちゃったのよ。そう、粘り強い人が最後に勝つってことにね」

これは著者が語った言葉ではないが、読後の印象としてはこんな感じかな。(実際の著者はもっと知的な大人の女性です)数多くの裏付けとなる事例やデータを積み重ねて、「確かにそうかも」とその気にさせるタイプの本だ。批判しているわけではない。
考え方としては「石の上にも三年」というより「七転び八起き」に近いかな。

GRITには肯定派と否定派がいて、GRIT精神全開で粘り強く戦ってきた人は、中高年になると脳の活動が低下し、心疾患のリスクが高まるという調査結果が発表されたり、貧しい人がGRITをやると悪影響が出るといったネガティブな研究結果も公表されている。
頑張らない方が良い事もあるので、勘違いGRITを実行すると危険な場合もある。例えば、就職したのがブラック企業だっとわかった場合。「とにかく今すぐ辞めよう」と考えるか、「逃げずに頑張り抜こう」と考えるかで、その後の人生は180度変わってくる。「途中で投げ出すことは悪」という考えに縛られると精神を病むリスクがある。この本では環境や行動の質の重要性も説いているので、きちんと理解して実行すれば効果は出るのだろうが、意外と本質を捉えるのは難しい気がした。

今回の記事で、『GRIT やり抜く力』をディスっているわけではないので、そこは誤解しないでほしい。生意気を言わせてもらうなら、まだこの理論は歴史が浅くて、ジャンルとして確立されていないと感じた。批判的な論文も割と多いようなので、そのあたりを糧に熟成させていく途中段階なのかなと思う。
雨の日も風の日も頑張り続けた人が最後に勝つ、って基本的には好きな考え方なので、いろいろ書いたものの、私はGRIT肯定派だ。(ブレイキングダウンは否定派です)

最後に、個人的な意見ではあるが、笑顔が素敵な人の方が粘り強い人より成功の可能性が高い気がするがどうだろう。もしそうなら、死に物狂いでやり抜くよりも、鏡に向かって笑顔の練習をする方が良い人生になるのではないだろうか?『SMILE 笑い抜く力』って感じで。
全然面白くないことは自分が一番わかっているから、何も言わないでほしい。堅苦しい読書感想文にならないように、すごく努力してちょけているので、そこのところご理解くださいませ。

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