おすすめ 短編小説

半年以上かかったが、どうにか100記事に達した。とりあえず30記事という緩めの決意ではじめた当ブログ。毎日アップすればひと月で30記事を達成できるだろう、と高を括っていたが・・・
その考えは甘かった。甘すぎた。
取り上げる短編を必ず再読し、適当なことは書けないので基本情報を集め、他の方のレビューにもざっと目を通す。これだけで2時間。そして記事のライティングに2時間、あわせて4時間。思った以上に時間と労力を要する。まあまあ脳もクタクタになるので、連続して書く気力は残っていない・・・。
数記事アップした段階で、30記事が重たく感じられた。100記事など遥か遠くに思えた。本業も疎かにできないし、気乗りしない日もある。退屈な短編にテンションが上がらないことも。基本的に、部屋に一人こもっての作業する。カフェで書くこともあるが、孤独で地味な作業であることに変わりはない。なんだか愚痴っぽくなったが、経文のように「継続!」と唱えつつ、予定をよりも遅いペースながらようやく50記事、そして100記事まで辿り着いた。(大袈裟だな)
こんなことばかり書いているとブログが苦行に映るかもしれないが、もちろん良い面もたくさんある。魅力的な短編に出会えるし、知識も広がる。いろいろ考える良い機会にもなる。曖昧だった価値観が定まる、といった効果もあったりする。(自分の価値観って、意外と自分でわかっていないものだ)
広告報酬のためにやってるんでしょ?と思う方もいるだろう。確かに、閲覧者がバナーをクリックすると報酬が発生するアドセンス広告を設置しているが、現実は雀の涙。youtuberにしてもそうだが、ほとんどの人が早い段階で失速、撤退してしまうのはよくわかる。報酬目当てでは、気持ちをキープするのが本当に難しいのだ。私の場合、読書が好きであり、造詣を深めることが第一義で報酬はおまけ。何より、再訪してくださる閲覧者の方がいることが励みになっている。
100記事と区切りが良いので、これまで取り上げた短編の中から「おすすめ 短編小説 3篇」を選んでみた。同じ作家に偏らないよう、一作家一作品としている。あくまで私個人のものさしではあるが、少なくも「なんだこりゃ」という読書にはならないと思う。機会があれば、是非ご一読を。
「灰色の輝ける贈り物」(アリステア・マクラウド)
最上級の青春映画を観たような感動をもらえる。シチュエーションも展開も登場人物もエンディングも、すべてが満点。
「長いあいだ、これはグリセルダの物語だった」(アンソニー・ドーア)
そこらへんの長編など吹っ飛んでしまうほどの短編。華のある姉を持ち、いつも日陰を生きてきた妹の人生を描いた傑作だ。
「蝶々と戦車」(アーネスト・ヘミングウェイ)
1937年、雨のマドリード。スペイン内戦の疲労と失意、混み合う酒場の喧騒。あたかもチコーテの店内にいるかのように混沌を体感できる。ヘミングウェイの最高傑作だと思う。
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