ジョブズの言葉

ジョブズの言葉

スティーブ・ジョブズは型破りで短気で、お世辞にもコミュニケーションに長けた人とは言えなかったが、世界で一番いいものを創ろうという熱意を常に持っていた。
マイクロソフトとの競争で劣勢に立たされた時も、

「他社が絶対に真似のできないレベルの革新を続けよう」

という言葉で周囲を鼓舞している。

普通の言葉に聞こえるかもしれないが、革新が苦手な日本人にとって重要な教訓を含んでいると個人的には思う。アップルは市場調査をほとんどしないことで知られるが、革新が内発性のものであるという当たり前のことがよくわかる。

ジョブズが遺した有名な「最後の言葉」の中で、特に個人的に胸に響いている箇所を下記に抜粋してみた。ネット上に散見される和訳に違和感を覚えたので自分なりに訳し直している。

私は、ビジネスの世界で頂点を極めた。
他人から見れば、私の人生は成功の典型に映るだろう。
でも、仕事以外の喜びは少なかった。
結局のところ、富など単なる習慣でしかない。
今この瞬間、病床で人生を振り返ると
誇りに感じていた評価や富は、 差し迫る死を前にして色褪せ、 意味を持たなくなっている。
暗闇の中、 生命維持装置の緑色のライトが光り、 機械音が聞こえてくる。
神の息を感じ、死が近づきつつある。
今、私は知った。
残りの人生に充分なだけの富を築いたなら、
富とは無関係なことを追い求めるべきだ。
もっと重要な何かを。
それは人とのつながりかもしれない、
芸術かもしれない、
若い頃からの夢かもしれない…

以下原文:

I reached the pinnacle of
success in the business world.
In others’ eyes, my life is an epitome of success.
However, aside from work, I have little joy.
In the end, wealth is only a fact of life that
I am accustomed to.
At this moment, lying on the sick bed and
recalling my whole life,
I realize that all the recognition and wealth that
I took so much pride in, have paled and become
meaningless in the face of impending death.
In the darkness, I look at the green lights from
the life supporting machines and hear the
humming mechanical sounds,
I can feel the breath of God and of death drawing closer…
Now I know, when we have accumulated
sufficient wealth to last our lifetime, we should pursue
other matters that are unrelated to wealth…
Should be something that is more important:
Perhaps relationships, perhaps art,
perhaps a dream from younger days …

ジョブズはボブ・ディランやジョン・レノンが好きだったらしい。媚びたり、迎合したりしないOnly Oneなところが共通している。

残りの人生に充分なだけの富を築いたなら、
富とは無関係なことを追い求めるべきだ。
もっと重要な何かを。

最初の一行を達成するのはなかなか難しいことだが、この言葉を胸に刻んで生きていこうと思う。



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