趣味よりも息抜き、という話。

趣味よりも息抜き、という話。

趣味はハマってこそ楽しいもの、タイトルを見てそう感じた方も少なくないだろう。

何事も負けると悔しい。球技でも格闘技でも陸上競技でも将棋でもチェスでも囲碁でもトランプでもオンラインゲームでも、負ければ悔しいものだ。ただ負けるだけでも悔しいのに、人を小馬鹿にしたような相手にもてあそばれたりすれば、自己肯定感はズタズタになる。「オレは何をしてもダメな人間だ」と捨て鉢な気持ちになり、性懲りも無くエンドレスな闘いへと没入していくのだ。(わかるでしょ?)

逆に勝利した時は、顔に出さずとも嫌らしいほどの優越感に浸る。「まあ、たまたま勝てただけですよ。私なんてまだまだですわ」と小さな勝利に酔い、強者気取りのしたり顔になる。何度でもその気分を味わいたいがために、さらなる闘いへと没入していく。(わかるでしょ?)

人間はネズミやチンパンジーの実験で証明されているように、快楽になかなか逆らえない生き物だ。ドーパミンによる幸福感を忘れられず、報酬回路を刺激するための行動を繰り返す。大抵は無意識のことで自覚はない。で、気がつけば依存状態に陥っている。そして、何かを犠牲することとなる。

「やめたいけどやめられない、他のことをしていても頭から離れない。私、何してるんだろう」ともがくものの断ち切れず、結果として失われゆく時間、金、心のゆとり・・・。

私もいろいろとハマってきた過去があるが、今はこうした理由から勝負事を趣味にしたいとは思わない。知らない街を散策したり、焚き火を眺めたり、秘境の温泉に入ったり、史跡を巡ったり、そうした「息抜き」の方が心を豊かにしてくれるのではないだろうか。

熱くなる気持ちは、家族や仕事や夢に向けるのが有意義だと思う。

「ごく短い物語」 アーネスト・ヘミングウェイ

ヘミングウェイ 名言・格言集(英語 原文付き *忠実に再翻訳)