隣の席の男女の会話
- 2021.08.10
- ●雑記

今、ドトールで仕事をしている。
隣のテーブルでは、カジュアルな服装の男女が打ち合わせをしている。アラフォーくらいだろうか。はじめは遠慮がちに敬語で話していたのだが、音楽の趣味が近いことがわかると、
「えっ、あのバンドのライブ観たの?」
「行った行った、昨日の夜もずっと聴いてた」
「いちばん好きなバンド教えて」
「●●●かな」
「マジで!俺、全部iPhoneに入っているし」
「■■■も好き、学生の頃に飛行機乗って東京までライブ行ったくらい」
「へぇー、俺も横浜で観たよ。▲▲▲も聴いたりする?」
「めちゃくちゃ聴くし、カラオケでも歌うし」
「ウソ!今度聴かせてよ」
「いつでもOK、わたし暇だし」
てな感じで盛り上がっている。
もう一時間近くずっと音楽の話をしている。未婚っぽい二人なので、このまま付き合いそうな勢いだ。
趣味も気も合う二人。弾む会話。もしかして恋が芽生える瞬間を目の当たりにしているのかな。(気持悪いよ)
一時間半くらい経った頃、男性がトイレへ立った。
3分ほどして席に戻る男性。
んっ?
あれ? 二人ともテンションが低いぞ。あれだけ盛り上がっていたのにどうしたのだろう。まあ、静かでいいけど。
その後、ポツポツと仕事の話をし、10分ほどして二人は店を出た。
何があったのだろう?
・・・Thinking Time・・・
! そうか、そういうことか。
二人の間には音楽という共通項があった。同時代を生き、同じようなバンドに思い入れ、同じような曲を聴いて育った。だから、すぐに打ち解け、盛り上がった。いつも一人で聴いていた音楽のことを誰かと共有できる、それが新鮮で自然とテンションも上がった。でも、音楽の話をある程度し尽くすと、他に二人をつなぐものは無かった。お互い相手の人柄に惹かれていたわけではないのだ。
なんだか寂しい話になってきた。
共通の趣味を持つ夫婦をたまに見かけるが、おしどりに見えて大抵はどことなく息苦しそうだ。(偏見だろ)
二人仲良くテニス、二人仲良くマラソン、二人仲良く山登り、そういう連中が漂わす特有の暗さがある。(完全に偏見だ)
アメリカ人の夫婦が「愛しているよ」「私も」と言ってから電話を切るのを見ると、表面的な結びつきにうら悲しさを覚える。(もう趣味の話でもないし)
なんの話をしているのか見えなくなってきた。
とにかく、趣味でつながっているカップルは、見た目より関係が希薄ってことを確認できた。
確認できたのかな。。。
PS. 今回の記事は酷いね。ただの戯言なので真に受けないでいただきたい。ちょっとした冗談ですから。
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