「不意打ちの幸運」 フラナリー・オコナー
- 2019.07.16
- 女流作家
親の悪口、兄弟の悪口、近所の悪口。ノンストップで罵りまくる中年女性を主人公にした短編だ。 例えば、母親について・・・ 三十四歳のころの母親は、しなびきった黄色いりんごみたいだった。それも […]
親の悪口、兄弟の悪口、近所の悪口。ノンストップで罵りまくる中年女性を主人公にした短編だ。 例えば、母親について・・・ 三十四歳のころの母親は、しなびきった黄色いりんごみたいだった。それも […]
「ゼラニウム」は、著者がアイオワ州立大学の大学院で修士論文として提出した作品だ。21歳でこれを書いたというのだから愕然としてしまう。黒人差別や親子間のズレといったその後の作品に通じるテーマをすでに扱っ […]
フラナリー・オコナーには「激烈」というイメージを抱いていたが、この「床屋」(原題:The Barber)は理屈抜きに面白く、ストーリー・テラーとしての力を改めて感じさせてくれた短編だ。キャラクターの造 […]
片腕のない男が耳の不自由な娘と結婚するものの、新婚旅行中に娘を置き去りにして・・・ あらすじを書いて、感想を述べても、何も意味がない気がしてきた。この感覚を説明するのは不可能だと思う。とにかくフラナリ […]
感想を一言で表すなら、「凄い」しか思いつかない。「巧い」とか「美しい」とか「感動する」といったレベルではなく、圧倒的な凄みに震えてしまうような短編だ。10代後半か20代前半に一度読んでおり筋書きは覚え […]
信心の強い母親と二人で暮らす32歳の娘ハルガ。彼女は幼い頃に猟銃の事故で片足を失って以来、義足の生活をしている。博士号を持つ無神論者であり、辛辣で孤独な女性だ。そこに訪ねてきた善良な田舎者風の聖書のセ […]
フラナリー・オコナーの小説を形容するとき、「グロテスク」という言葉がよく使われる。暴力や殺人の生々しい描写だけでなく、南部ゴシックの特徴とも言える「独善的な人間たちへの憎悪」が作品から滲み出ているため […]