「その人」 ミランダ・ジュライ
原題はThis Person、直訳すれば「この人」である。自分自身のことを三人称で客観的に語るスタイルの短編に思えたので、「この人」で良かった気がするのだが、さらっと乾いた感じを出したかったのだろうか […]
原題はThis Person、直訳すれば「この人」である。自分自身のことを三人称で客観的に語るスタイルの短編に思えたので、「この人」で良かった気がするのだが、さらっと乾いた感じを出したかったのだろうか […]
余計な前置きやダラダラした描写がなく、実に小気味好い。そして、何より面白い。 「わたしはドアにキスをする」(I kiss a door)を乱暴に要約すると、バンドの女性ボーカルであるエレノアの恋人は彼 […]
いやぁー、かなり面白い。あらためて、他の作家とはまるで違った読書体験をくれる希少な存在だと思った。 サンフランシスコ・クロニクル誌は「ミランダ・ジュライの物語は、あらゆるページで私たちを仰天させる」と […]
コミカルでパンキッシュで軽妙ないつものタッチで書かれているが、何度か途中で緊張が走った。ただ面白いだけでなく、カミソリのような切り込み方をする瞬間がある。そして、段々とこれは傑作かもしれないと直感めい […]
読後すぐに、この短編を繰り返し何度も読もうと思った。読解できず疑問が残ったからではなく、単行本で僅か7ページ程度の掌編ではあるものの、そこに自分にとって必要な刺激が詰まっていると感じたためだ。 映画界 […]
儚さと強かさが同居した不思議な話だと感じた。本質的に透明感にあふれていて優しい。古典ではまず出会うことのない、というか他の作家にはない感性が詰まっている。ちょっと痛々しいくらいに不器用な女性の個性的な […]