「夜想曲集」 カズオ・イシグロ 短編
「夜想曲集」 は、カズオ・イシグロの初短編集である。私は昨年の秋頃にはじめて読み、全作品について解説(感想)を書き、このブログにアップした。読後の率直な印象は、イメージよりもずっとポップでユーモラスで […]
「夜想曲集」 は、カズオ・イシグロの初短編集である。私は昨年の秋頃にはじめて読み、全作品について解説(感想)を書き、このブログにアップした。読後の率直な印象は、イメージよりもずっとポップでユーモラスで […]
まずは、あらすじから。 しっかりとした音楽教育を受けたハンガリー人チェロ奏者のティボールは、イタリアの小さな町で謎の年上女性に出会う。その女性はティボールにチェロを教えたいと告げ、彼はそれを受けること […]
「夜想曲」(原題:Nocturne) は、誇張して言えばドタバタ珍道中といった趣で娯楽性の高い短編だ。「降っても晴れても」の時にも書いたが、アメリカのテレビドラマを観ているようなある種の通俗的な楽しさ […]
安物のアコースティックギターひとつ抱え、いくつものオーディションを受けるが結果の出ない若いギタリスト。腐り切ったことがまかり通っているロンドンの音楽業界に嫌気がさしてきて、モールバンヒルズ(ハイカーに […]
一言でいってしまうと、冴えない中年男の情けないエピソードだ。よく笑い声を後で付け加えた「奥様は魔女」のような海外のホームコメディがあるが、そういったライトなドラマを観ているような気分になる。主人公が小 […]
「老歌手」の原題はCrooner。この単語は老いた歌手という意味ではなく、ラブソングを低い声でささやくように歌う男性シンガーのこと。「夜想曲集(音楽と夕暮れをめぐる五つの物語)」という短編集の頭に収め […]