「足もとに流れる深い川」 レイモンド・カーヴァー
こういう短編に出会うために読書をしている。 「足もとに流れる深い川」の中でカーヴァーはとても高度なことをやってのけている気がする。私はこの物語をもっと強く深く感じたくなり、短時間の間に続けて2回読んだ […]
こういう短編に出会うために読書をしている。 「足もとに流れる深い川」の中でカーヴァーはとても高度なことをやってのけている気がする。私はこの物語をもっと強く深く感じたくなり、短時間の間に続けて2回読んだ […]
まず、何と言っても邦題が良い。 原題は「I Could See The Smallest Things」で、訳者である村上春樹氏はクセの強い奇妙なタイトルに首を傾げているが、個人的には好きなタイトルだ […]
「大聖堂(カセドラル)」という邦題の付けられた、これぞマスターピースという珠玉の短編。これまでに3度は読んでいるのでストーリーは細部まで頭に残っていたが、それでも心を揺さぶられた。なんとなくヒューマニ […]
割と凝った短編だ。 舞台は理髪店。店主や客らのどうということのない会話で構成されているが、比喩が詰まっていて単なるスケッチでは片付けられない。設定としてはフラナリー・オコナーの「床屋」と似ているが、主 […]
「必要になったら電話をかけて」は没後に発掘された未発表短編だが、かなり感じるものがあった。どのくらい感じるものがあったかというと、壁にもたれてグダァとした感じで読みはじめたが、途中から「キタ!キタ!! […]
ワーキング・クラスのだらしない夫婦の一夜のエピソードが描かれている。 色仕掛けでマイカーを少しでも高く売りつけようと出掛けていく妻。「その場の流れで一線を超えてしまわないだろうか?クルマは高値で売れる […]
原題は、Chef’s House。シェフといっても料理長の家ではなく、シェフという名前の知人男性の家という意味で、まあそんなことをわざわざ説明しなくてもとは思うが、意外と勘違いしている人が多い気がした […]
久しぶりにカーヴァーの短編集を手に取った。大人になりきれない中高年男性にとって、カーヴァーの短編は鬱誘発剤のように危険だ。この「コンパートメント」もかなりやばい。守るべきものを守らない、責任を果たさな […]